【重陽の節句とは?】いつ?五節句の意味や由来・食べ物  もご紹介

2026.08.30 10:00 - コメント - By 斉藤 あかり

「重陽の節句(ちょうようのせっく)」をご存知ですか?

ひな祭りや端午の節句、七夕に比べると、あまり聞き慣れない行事かもしれません。しかし、重陽の節句も、季節の節目に健康や幸せを願う「五節句」のひとつです。

古くから、菊の花を飾ったり、栗ご飯や菊を使った料理を味わったりして、無病息災や長寿を願ってきました。

重陽の節句とは?いつ?   

重陽の節句は、毎年9月9日に行われる日本の伝統行事です。


重陽の節句では、菊の花を眺めたり、菊酒を飲んだりしながら、無病息災や長寿を願ってきました。五節句のなかでは最後に迎える節句で、「菊の節句」や「栗の節句」と呼ばれることもあります。


桃の節句や端午の節句ほど広く知られてはいませんが、秋の訪れを感じながら、自分や家族の健康を願う行事です。

五節句とは?どんな行事?

五節句って何?と思われる方も多いかもしれませんね。五節句とは、季節の変わり目に邪気を払い、健康や幸せを願う5つの節句のこと。


【五節句の行事】

  • 1月7日:人日の節句(じんじつのせっく)

  • 3月3日:上巳の節句(じょうしのせっく)

  • 5月5日:端午の節句(たんごのせっく)

  • 7月7日:七夕の節句(しちせきのせっく)

  • 9月9日:重陽の節句(ちょうようのせっく)

人日の節句は「七草の節句」、上巳の節句は「桃の節句」とも呼ばれています。

七草がゆを食べる1月7日、雛人形を飾る3月3日、子どもの成長を願う5月5日、短冊に願い事を書く7月7日も、すべて五節句に含まれる行事です。

五節句は中国から伝わり、日本の宮中行事として取り入れられた後、暮らしのなかにも広がっていきました。季節の植物や食べ物を取り入れながら、邪気を払い、新しく迎える日々を無事に過ごせるよう願う行事として受け継がれています。

重陽の節句は、その年の五節句を締めくくる日です。

「重陽」という名前の由来  

「重陽」という名前は、古代中国の考え方に由来します。

古代中国では、奇数を「陽」の数字、偶数を「陰」の数字と考えていました。なかでも「9」は、ひと桁の奇数で最も大きな数字です。その9が月と日に重なる9月9日は、「陽が重なる日」という意味から「重陽」と呼ばれるようになりました。


陽の数字が重なる日は、縁起のよい日とされる一方、陽の力が強くなりすぎる日とも考えられていました。そのため、災いを避けるために邪気を払い、健康や長寿を願う行事が行われるようになったとされています。


この風習が日本に伝わり、菊を眺めながら宴を開いたり、菊を浮かべた酒を飲んだりする宮中行事として定着していきました。

「菊の節句」と呼ばれる理由  

重陽の節句は、別名「菊の節句」と呼ばれています。

菊は、古くから邪気を払い、長寿をもたらす花と考えられていました。

そのため、重陽の節句には菊の花を飾り、菊の香りを移した酒を飲みながら、健康や長寿を願うようになったとされています。


しかし、現在の9月9日は、菊の見頃には少し早い時期ですね


これは、もともとの重陽の節句が旧暦の9月9日に行われていたことと関係しています。旧暦の9月9日は、現在の暦では10月中旬ごろにあたり、菊が美しく咲く季節でした。


現在は暦が変わったため、9月9日と菊の見頃にずれがあります。

重陽の節句には何をする?  

重陽の節句では、菊にまつわるさまざまな行事が行われてきました。昔と同じようにすべてを行う必要はありません。菊を一輪飾ったり、栗を使った料理を味わったりするだけでも、季節の行事を楽しめます。

●菊の花を飾る  

重陽の節句を気軽に楽しむなら、菊の花を部屋に飾ってみましょう。大輪の菊をたくさん用意しなくても、一輪挿しに飾るだけで十分です。

白や黄色の菊だけでなく、淡いピンクやオレンジ色の洋菊を選ぶと、普段の部屋にもなじみやすくなります。菊を眺めながら、家族の健康や、これからの穏やかな暮らしを願ってみるのもよいでしょう。

菊酒を味わう  

菊酒は、菊の香りを移した酒や、酒の杯に菊の花びらを浮かべたものです。


重陽の節句には菊酒を飲み、邪気を払いながら、無病息災や長寿を願う風習がありました。

家庭で菊酒を作る場合は、必ず「食用」と表示された菊を使いましょう。花屋などで販売されている観賞用の菊は、食べることを前提として栽培されていません。お酒を飲まない場合は、食用菊を料理に添えたり、菊をかたどった和菓子とお茶を楽しんだりする方法もあります。

菊の着せ綿で長寿を願う  

「菊の着せ綿(きせわた)」とは、平安時代の宮中で行われていた行事で、重陽の節句の前夜に、菊の花へ綿をかぶせる風習です。

翌朝、夜露と菊の香りを含んだ綿で顔や体をぬぐうと、若さを保ち、長生きできると考えられていました。

現在では、この風習をモチーフにした伝統的な和菓子などがありますね。

重陽の節句には何をする?  

重陽の節句には、ひな祭りのちらし寿司や端午の節句の柏餅のように、全国で広く定着しているもは少ないですが、季節に合った食事、栗ご飯や食用菊を使った料理など、古くから親しまれてきた食べ物があります。

●栗ご飯  

重陽の節句を代表する食べ物のひとつが、栗ご飯。旧暦の9月9日は栗の収穫時期と重なっていたため、庶民の間では栗ご飯を食べ、秋の実りや収穫を祝ってきました。

この風習から、重陽の節句は「栗の節句」とも呼ばれています。


●食用菊  

食用菊も、重陽の節句らしい食べ物です。

山形県などでは食用菊を食べる文化があり、おひたしのほか、酢の物や天ぷらなどにも使われています。


●秋茄子  

地域によっては、重陽の節句に秋茄子を食べる風習もあります。焼き茄子や煮びたし、味噌炒めなど、普段の献立に取り入れやすい料理で楽しめます。


重陽の節句は秋の始まりに健康を願う日  

重陽の節句は、毎年9月9日に行われる五節句のひとつ。


古代中国では、縁起のよい「陽」の数字と考えられていた9が重なることから、「重陽」と名付けられました。日本では、菊を飾ったり、菊酒や栗ご飯を味わったりしながら、無病息災や長寿を願う行事として受け継がれています。


そんな小さな楽しみ方でも、重陽の節句を十分に感じられます。まだ暑さの残る時期ですが、食卓や部屋に少しずつ秋を取り入れながら、これからの日々を健やかに過ごせるよう願ってみてください。

斉藤 あかり

斉藤 あかり

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