__ザッパ村の皮工房で、革と猫と人をつなぐ。

姫路市郊外、田畑が広がるのどかなエリアにある「ザッパ村」。
雑貨やカフェ、ものづくりの工房が集まる小さな複合施設です。

その一角に、オレンジ色の外壁の建物があります。
木の扉を開けると、壁いっぱいの糸と整然と並ぶ道具。棚には、思わず手に取りたくなる色の革小物が並びます。ここが、皮工房「M’s FACTORY」。この場所で革と人と向き合っているのが、小田雅也さん。
__皮革産業の産地|姫路・たつの

姫路は、播磨地域の皮革産業と長く結びついてきた土地です。
特に近隣のたつの市は、日本有数のタンナー(皮のなめし加工業者)が集まる地域として知られています。明治期以降、皮の加工技術が発展し、現在も国内外のブランドに革を供給しています。
播磨地域では、原皮の加工(なめし)をたつの市が担い、その革を使った製品づくりや流通が姫路周辺で行われるという流れが形成されてきました。姫路には、いわゆる「姫路レザー」と呼ばれる革もあり、植物タンニンなめしやクロムなめしなど、用途に応じた多様な加工が行われています。革はこの地域にとって特別な素材というより、長く産業として根づいてきた素材のひとつです。その播磨の地で、M’s FACTORYは制作を続けています。
__書写山の麓から、ザッパ村へ

もともと小田さんは、書写山の麓で店舗を構えていました。
自然に囲まれた場所で、革と向き合う日々。
そこから、ザッパ村へ。
「声をかけてもらったのがきっかけです。」
環境が変われば、訪れる人も変わります。 ざっぱ村に移ってからは、観光で立ち寄る人や、ふらりと入る人が増えました。
海外からのお客さまもいます。
「外国の方はとても礼儀正しくて、日本をリスペクトしてくれていると感じます。」
場所が変わったことで、出会う人も広がった。
__姫路の皮工房「M’s FACTORY」の革製品

財布、ポーチ、バッグ、キーホルダー。猫モチーフのチャームや小物、ペット用の首輪もあります。革小物と聞くと、渋くてかっこいいイメージを思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし「M’s FACTORY」では、ターコイズやマスタード、ラベンダーなど、思わず「かわいい」と声が出る小物ばかり。小さくて手に取りやすく、革なのにどこかやわらかく感じる。
見た目の可愛さの奥に、縫い目の正確さや仕上げの丁寧さがあるものばかり。__姫路でレザークラフト体験ができる工房
「M’s FACTORY」ではレザークラフト体験も行っています。
「小さい子でも、すごく上手にやるんですよ。 黙々と集中して、親より真剣だったりして。」と小田さんは言います。
革に触れたことのない人が、自分の手で仕上げる。その最初の一歩を支えるのも、小田さんの仕事です。
小田さんは、企業イベントや出張ワークショップ、高校での体験授業にも関わってきました。 工房の中だけにとどまらない活動が続いています。
__夫婦で営む革工房というかたち
「M’s FACTORY」は、ご夫婦で営まれています。
お二人とも革の仕事に携わり、その中で出会い、今も並んで制作を続けています。
「ずっと一緒ですよ。」
特別なことのように語らない小田さんですが、奥様と共に向き合い続けてきたからこそ生まれる素敵な空間がそこにはありました。
__猫好きから広がった地域活動

店内には、猫モチーフの革小物が並びます。チャームやキーホルダー、ペット用の首輪など。実は、大の猫好きな小田さん。
「第3回 ひめじ猫マルシェ 」
はりま猫伝説プロジェクトにも参加され、そこで小田さんが担当されているイベントが「ひめじ猫マルシェ」です。猫をテーマにした出店者が集まり、 “好き”から始まった活動が、街のイベントへと広がりました。革の仕事と、猫の活動。どちらも別の顔ではなく、自然につながっていくんですね。
📍 姫路駅北中央地下通路(にぎわい広場)
🗓 3月8日(日)
🕙 10:00〜17:00
__これから挑戦したい鞄づくり

「いっぱいあるけど、やっぱり鞄かな。」
小さな革小物をつくり続けながら、その先も見据えています。
流行も大切だけど、それだけではなく、ちゃんと使えるもの。
長く持ち続けられるもの。
__姫路で革の仕事を続けるということ

ザッパ村のオレンジ色のおしゃれな建物。
扉を開けると、壁いっぱいの糸と、整然と並ぶ道具。
棚には、色とりどりの革小物。
作業台の上では革が裁たれ、奥では猫モチーフの小物の準備も進んでいる。
どこを見ても少し楽しくて、気づけば長居してしまうような場所です。
ザッパ村を訪れたら、ぜひ皮工房「M’s FACTORY」に足を運んでみてくださいね。

姫路・ザッパ村の皮工房「M’s FACTORY」代表。
革小物を制作しながら、体験教室や学校でのワークショップも行う。猫好きが高じて「ひめじ猫マルシェ」にも携わるなど、革と人をつなぐ活動を続けている。
