【保存版】ヒートショックを防ぐお風呂の入り方|脱衣所・浴室のあたため対策とNG習慣 

2025.12.07 10:00 - コメント - By 斉藤 あかり

冬の夜、あたたかいリビングから、ひんやりした脱衣所・浴室へ。
そのあと、熱いお湯にざぶーん——。

気持ちよく感じる流れですが・・・冬の冷え切った体のまま急に熱々のお湯に浸かると急な温度差により血圧が大きく変動し「ヒートショック」を起こしてしまうかもしれません。

一時的な立ちくらみで済むこともあれば、 心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる状態につながることもあります。

今回は、暮らしの中でできる具体的なヒートショック対策を見ていきましょう。

 ヒートショックになりやすい人の特徴  

まずは、ご自身やご家族がどれくらい当てはまりそうか、軽くチェックしてみてください。

  • 65歳以上である

  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症・動脈硬化などの持病がある

  • 心臓病・不整脈があると言われている

  • 肥満気味である

  • 42℃以上の熱いお湯が好き

  • 20〜30分以上の長風呂が多い

  • 浴室・脱衣所に暖房がなく、とても寒い

  • 食後すぐ・飲酒後にお風呂に入ることがある

  • 夜遅く、一人でじっくり入浴することが多い


上記をチェックしてみてください。高齢の方だけでなく、「熱いお風呂が好き」「つい長風呂してしまう」タイプの方も要注意です。 離れて暮らす親御さんのことを思い浮かべながら読んでいただいてもよいかもしれません。

 ヒートショックを防ぐ「基本の入浴ルール」  

1|湯温・室温の目安を整える  

まず見直したいのは、温度の設定です。

  • お湯の温度:38〜40℃(高くても41℃まで)
    いつも42℃以上で入っている場合は、1℃ずつ下げて慣らしていくとスムーズです。

  • 脱衣所・浴室:18〜20℃を目安に
    居間との温度差が10℃以上あると、体への負担が大きくなります。
    「脱いだ瞬間に息が詰まるような冷たさ」は、できるだけ避けたいところです。

2|お風呂に入る前に気をつけたいこと  

ちょっとしたタイミングの工夫も、ヒートショック対策になります。

  • 食後は1〜2時間あけてから入浴する

  • 飲酒した日は、湯船につからず短時間のシャワーにとどめる

  • 入る前に、脱衣所・浴室を少し温めておく
    (暖房器具やシャワーの蒸気を活用)

「寒いところから急に熱いお湯へ」を避けるイメージで、入る前の環境を整えておきましょう。

3|入浴中のポイント  

体にやさしい入り方のコツです。

  • かけ湯は足先から
    足先 → ふくらはぎ → 腰 → お腹 → 胸の順に、ゆっくりかけ湯をします。

  • 浸かるのは、みぞおちあたりまで・10分以内
    肩までしっかり浸かるよりも、半身浴に近い入り方のほうが体への負担はやわらかです。

  • 立ち上がるときはゆっくりと
    浴槽のふちや手すりを持ち、20秒くらいかけるイメージで立ち上がります。


「早く出よう」「さっと済ませよう」と急いでしまうより、 動作をゆっくりにすることが、ヒートショック対策にもつながります。

4|お風呂上がりの過ごし方  

お風呂から上がったあとの少しの工夫も大切です。

  • 体をタオルで手早く拭き、冷えないうちにパジャマや部屋着を着る

  • 常温の水やお茶を一杯飲み、水分を補っておく

  • すぐに寒い廊下やベランダに出ない

入浴後10〜15分ほどは、血圧も体温も安定しにくい時間帯。
できれば、ゆったり過ごせる環境をつくっておきたいですね。

 ヒートショックを防ぐ「基本の入浴ルール」  

 NG1|42℃以上の熱いお湯にじっくり浸かる 

血圧の変動が大きくなり、体への負担が強くなります。
40℃前後・10分以内を目安に、少しずつ慣らしていきましょう。

 NG2|スマホを持ち込んで長風呂 

SNSや動画を見ているうちに、あっという間に時間が経ってしまうことも。
→ スマホは浴室の外に置いて、「音楽1〜2曲分で出る」など、目安をつくっておくと安心です。

 NG3|食後すぐ・飲酒後に入浴する 

SNSや動画を見ているうちに、あっという間に時間が経ってしまうことも。
→ スマホは浴室の外に置いて、「音楽1〜2曲分で出る」など、目安をつくっておくと安心です。

 NG4|夜遅く、一人で長時間入る 

家族が寝ている時間帯の一人入浴は、万が一のときに気づかれにくいのが心配なところです。
→ できるだけ家族が起きている時間に入り、「今から入るね」「そろそろ出るよ」と声をかけ合う習慣にしておくと、少し安心につながります。

 こんな症状が出たら要注意|ヒートショックの主なサイン

● 軽い〜中等度のサイン  

入浴中・入浴後に、次のような様子が見られたら注意が必要です。

  • 急な立ちくらみ・めまい

  • 顔色が急に悪くなる、冷や汗が出る

  • 気分が悪い・吐き気がする

  • 動悸や息切れを感じる

  • 強い頭痛

こうした症状が出たときは、すぐに入浴を中止し、無理をしないことが大切です。

 ● 重いサイン・すぐに医療機関へ相談したい症状  

次のような症状は、脳卒中や心筋梗塞などのサインである可能性もあります。

  • 手足に力が入りにくい、しびれる

  • 片側の手足だけ動かしにくい

  • ろれつが回らず、うまく話せない

  • 胸の痛み・締めつけ感が続く

  • 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しづらい

「少し様子を見れば大丈夫」と思わず、迷ったときほど慎重にしたいところです。

 ヒートショックになってしまったら??

1|安全を確保

  • 無理に動かず、ゆっくり立ち上がる

  • 浴槽の中にいる場合は、栓を抜いてお湯の量を減らす

  • 壁や手すりにつかまりながら動く


一人で踏ん張ろうとして転倒してしまうのが一番危険です。「ゆっくり・少しずつ」を心がけましょう。


2|家族に知らせる  

  • 声が出せるときは、大きな声で家族を呼ぶ

  • 声が出しにくいときは、ドアや壁を叩いて音を出す


少しでも「おかしいな」と感じたら、遠慮せず助けを求めてください。


3|迷ったら119番に相談する  

  • 胸の痛み・締めつけ感

  • 手足のまひ・しびれ

  • ろれつが回らない

  • 意識がもうろうとしている


こういった症状があるときは、ためらわず119番に連絡を。
「呼ぶほどではなかったかな…」よりも、「呼んでおいてよかった」と思えるほうが、ずっと安心です。

 高齢の家族のお風呂時間を守るために  

ご自身だけでなく、「親の入浴が心配」という方も多いのではないでしょうか。こんな風に離れて暮らすご両親とお約束をしておくのも一つの手ですね。

  • 電話やLINEのついでに「お風呂、どんなふうに入ってる?」とさりげなく聞いてみる

  • 帰省したときに、脱衣所や浴室の寒さを一緒にチェックする

  • 小型ヒーターやあたたかいバスマットなどをプレゼントする

  • 一人暮らしの場合、「入る前後にスタンプを送る」など簡単な合図を決めておく


こんな風に、日常からコミニュケーションをスムーズにできていると、もしもの時の異変に気付きやすくなったりします。

 おわりに|あたたかくて、安心なお風呂時間に  

冬のお風呂は、体も心もふっとゆるむ大切な時間です。だからこそ、「気持ちよさ」と同じくらい「安全さ」もそっと意識しておきたいところ。

今回ご紹介した対策などを、ぜひ家族みんなの「わが家のルール」としてゆるやかに共有しておくと、冬のお風呂時間がぐっと安心に近づきますよ。ご自身のために、そして大切な家族のために。この冬は、ヒートショックを防ぐお風呂の入り方を取り入れて、ほっとあたたまりながら、安心して過ごせる夜を増やしていきたいですね。

斉藤 あかり

斉藤 あかり

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