【連載|この街で、輝く人】#5 歌を諦めない場所を。合唱団姫詩(ひめうた)・山本さんの想いに注目

2026.09.15 10:00 - コメント - 投稿者: bambi

姫路市を中心に活動する「合唱団姫詩(ひめうた)」。


2021年、4名から始まった合唱団は、現在では20名を超えるメンバーが登録し、姫路市内のコンサートや地域イベントなどで活動しています。


大きな特徴は、月1回という子育て世代が無理なく続けられる練習スタイル。なぜ、このような合唱団をつくろうと思ったのか。


今回の連載では、団長の山本さんに、姫詩を立ち上げたきっかけや活動への想い、そしてこれからについてお話を伺いました。

__なんとなく始めた歌が「生活の一部」に

山本さんが合唱を始めたのは、小学生の頃。


きっかけは、山本さんの歌声を聴いた先生から、合唱部へ誘われたことでした。


「その時は、やってみようかなというくらいでした。」


そこから中学校、高校、一般の合唱団へと活動を続け、いつしか合唱は山本さんにとって欠かせないものになっていきました。


「もう生活の一部ですね。どれだけ忙しくても、合唱と並行しながら生活しているという感じです。」


仕事や子育てでしんどい日も、歌うことで気持ちが切り替わる。

「練習に行くと元気になるんです!」


学生時代には、友人と教え合い、できなかったことを乗り越えていく喜びも学んだという山本さん。その経験から「歌を教える仕事がしたい」と考えるようになり、現在はボイストレーナーとしても活動しています。


歌うこと、教えること。山本さんが積み重ねてきた経験が、後の「合唱団姫詩」へとつながっていきました。

__「歌いたいのに続けられない」から生まれた合唱団姫詩  

合唱団姫詩が誕生したのは2021年。

きっかけは、山本さん自身が長く合唱を続ける中で感じていた「歌いたくても、生活が変わると続けるのが難しい」というもどかしさでした。

仕事や家庭があり、当時は姫路から離れた場所に暮らしていた山本さんにとって、毎週通うことは簡単ではありませんでした。


周囲にも、結婚や子育て、仕事をきっかけに合唱から離れていく仲間が少なくなかったといいます。

「子育てで合唱を諦めたり、歌うことから離れていった人をたくさん見てきました。


自分自身も歌いたいし、そういう人たちの“歌いたい”という思いも大切にしたい。歌わせてあげたいと思ったんです。」

最初のメンバーは4名。名前も、最初に集まったメンバーでホワイトボードを囲みながら決めました。


姫路の「姫」と、歌の言葉や意味を大切にしたいという想いを込めた「詩」。そこから「姫詩(ひめうた)」という名前が生まれました。


「ぱっと見たら、“ひめじ”とも読めるじゃないですか。」


初めてのコンサートでは、「姫路じゃないよ ひめうただよ」というサブタイトルをつけたことも。


真剣に歌と向き合いながら、どこか親しみやすい。その雰囲気も、姫詩らしさの一つです。

__無理なく続ける。でも、本気で歌う

姫詩の大きな特徴は、原則月1回の全体練習。


仕事や子育てなど、それぞれの生活を大切にしながら、無理なく歌い続けられる形を目指しています。


「無理なく続けてほしいんです。」


月1回という限られた練習時間で、姫詩の合唱が成り立つのには理由があります。


姫詩が成り立っているのは、みんなが自分で練習してくれているからなんです。」


全体練習が少ない分、一人ひとりが自主練習を重ね、限られた時間で一つの音楽をつくり上げます。

また、年間を通して活動するレギュラーメンバーのほか、仕事や距離の都合に合わせて参加できるスポットメンバーという形も。


実際、仕事をきっかけに合唱から離れていた山本さんの後輩も、「月1回なら、できるんじゃない?」という言葉をきっかけに姫詩へ入団し、現在は副団長を務めています。


4人から始まった姫詩には、今では20名を超えるメンバーが登録。年代を越えて意見を出し合いながら、一緒に音楽をつくっています。


楽しく合唱ができるという意味では、姫路で一番の合唱団だと思っています!


無理なく続けられる。でも、歌う時は本気。そのバランスこそが、姫詩らしさなのかもしれません。

 __楽しむことから生まれた、思いがけない最優秀賞  

姫詩の活動の中で、山本さんが忘れられない出来事があります。


姫路市で毎年開催されている「交響詩ひめじ」合唱コンクールへの出場です。


「賞を取れなくてもいいし、とりあえずみんなで出て楽しもう、という感じだったんです。」


結果発表が進んでも、なかなか呼ばれない姫詩の名前。


「もう入ってなかったんや、と思っていたら……最優秀賞で。」


2024年、合唱団姫詩は最優秀賞と池辺晋一郎特別賞を受賞しました。

「人生で一番びっくりした日でした。」


何より印象に残っているのは、結果そのものより、発表を聞いた瞬間のメンバーの表情だったといいます。


「その時のみんなの笑顔が忘れられません。」


また、アクリエひめじの大ホールで歌ったことも、大切な思い出の一つ。普段なかなか立つことのできない大きなステージに、仲間と一緒に立つ。


月に1回という練習スタイルでも、それぞれが練習を重ねれば、本気で音楽をつくることができる。


姫詩の活動が、それを証明しているように感じます。

__合唱をもっと身近に。いつでも帰ってこられる場所へ  

山本さんが姫詩を通して届けたいのは、きれいな歌声だけではありません。


「“合唱っていいな”と、もっと気軽に思ってもらえたら。」


姫路城の観桜会では、その場に合う親しみやすい曲を選び、親子向けのコンサートでは、子どもたちが歌に触れられる機会もつくってきました。


少し堅く見られがちな合唱を、もっと身近なものにしたい。そして、歌いたい人が、生活が変わっても戻ってこられる場所でありたい。


「今後も、合唱を諦めさせない団体でありたいです。」


仕事が忙しくなっても、子育てが始まっても、遠くへ行っても。また歌いたくなった時に、帰ってこられる。山本さんは、そんな姫詩の姿をこう表現します。


歌うふるさと、みたいな感じです。


これからは、姫路以外でのコンサートや合唱コンクール、ほかの合唱団との交流にも挑戦していきたいといいます。


4人から始まった姫詩。目指しているのは、上手に歌うことだけではなく、歌いたい人の気持ちが途切れない場所をつくること。


その歌声は、これからも人と人をつなぎながら、姫路のまちに広がっていきます。

● 9月20日開催|合唱団姫詩 5周年記念コンサート  

2026年9月20日(日)、合唱団姫詩は5周年を記念した3回目のコンサートを、姫路・キャスパホールで開催します。


テーマは、「楽しい合唱も、美しい合唱も。いろんな合唱を楽しんでもらう一日」


第1ステージでは、声だけでつくるアカペラを披露。ホールだからこそ感じられる響きやハーモニーに加え、やなせたかしさんの詩を使った楽曲では、思わずクスッと笑える演出も予定されています。


第2ステージでは、姫詩が“合唱アイドル”の**「プリンセスコーラス(プリコラ)」**に変身。J-POPを中心に、ペンライトや掛け声、ウェーブなど、観客も一緒に参加して楽しむステージです。

第3ステージには、神戸・大阪を中心に活動する**男性合唱団「銀河」**がゲスト出演。


そして第4ステージは、これまで歌い重ねてきた曲集を全5曲演奏する、5周年の集大成。外部から集まったメンバーも加わり、新しいつながりとともにつくる熱いステージになります。


山本さんは、「姫詩ってこんな合唱団なんや、というのを知ってもらえる一日になれば。」と話します。


美しさも、楽しさも、遊び心も。姫詩らしい合唱を、ぜひ会場で体感してみてください。姫詩らしい合唱を、ぜひ会場で体感してみてください。

合唱団姫詩 5周年記念コンサート

開催日:2026年9月20日(日)
会場:姫路キャスパホール
住所:兵庫県姫路市西駅前町88 キャスパ7階 [山陽百貨店・西館7階]
開場:13:30〜
開演:14:00

Instagram:https://www.instagram.com/chorhimeuta/
チケット詳細:https://teket.jp/18410/74224

主催:合唱団姫詩

※開催時間や参加方法などの最新情報は、合唱団姫詩の公式Instagramをご確認ください。

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