大切な方を見送って、初めて迎えるお盆。
「初盆(はつぼん)」という言葉は知っていても、何を、どこまで準備すればいいのか、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
初盆とは何か、いつ迎えるのか、何を用意するのか。今の暮らしに合わせて、無理なく進められるようにまとめました。初盆(はつぼん)とは?新盆との違い・読み方

初盆とは、四十九日の忌明けを過ぎてから、初めて迎えるお盆のことです。
呼び方は地域によって違っていて、姫路を含む西日本では「はつぼん」、東日本では「にいぼん(新盆)」と呼ばれることが多いですが、指しているものは同じです。
通常のお盆と違うのは、親族が集まって法要を行うご家庭が多いことと、この年だけ「白提灯(白紋天)」という白い提灯を飾ることです。そのほかの飾りやお供えは、いつものお盆とほとんど変わりません。ただ、初盆の考え方や飾り方は、宗派によっても違います。
たとえば浄土真宗では、お盆に故人が帰ってくるという考え方をしないため、白提灯や迎え火などのお飾りはしません。ご家庭の宗派に迷うときは、菩提寺(お世話になっているお寺)に聞いてみると安心です。
2026年の初盆はいつ?
初盆の時期は、通常のお盆と同じです。2026年は、地域によって次のいずれかになります。
8月13日(木)〜16日(日):姫路・西播磨をふくむ関西や、多くの地域
7月13日(月)〜16日(木):東京の一部や、横浜・東北の一部など
少し迷いやすいのが、四十九日との関係です。初盆は「四十九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆」なので、四十九日がお盆に間に合わない場合は、その年はまだ初盆とせず、翌年のお盆が初盆になります。初盆は法要や来客で慌ただしくなりやすく、お寺の予定も埋まりやすい時期です。お盆の前月くらいから、少しずつ準備を進めておくと、当日あわてずにすみます。
初盆の準備|白提灯・お供え物の意味
初盆では、白提灯(白紋天)や盆棚(精霊棚)、お供え物などを用意します。とはいえ、すべてを一から完璧にそろえなくても大丈夫です。最近は、火を使わずに灯せるLEDタイプの提灯など、今の暮らしに合った選択肢も増えています。
大切なのは、立派に飾ることよりも、故人を思って静かに迎える気持ちです。何のために用意するのかだけ知っておいて、便利なものも上手に使いながら、できる範囲で整えていきましょう。
用意するものは、主に次のようなものです。白提灯(白紋天)
初盆のときだけ飾る、絵柄のない白い提灯です。初めて帰ってくる故人が迷わないための目印で、清浄無垢を表すといわれています。本来は玄関や軒先に吊るしますが、住宅事情に合わせて、窓際やカーテンレール、置き型で室内に飾る方も増えています。初盆が終わったら処分する、その年限りのものです。
盆棚(精霊棚)
仏壇の前に設けるお供えの台です。位牌やお供え、精霊馬などを並べます。葬儀のあと、四十九日まで遺骨やお位牌を置いていた台(後飾り壇)が残っていれば、それをそのまま使ってもかまいません。
お供え物
果物やお菓子、そうめん、精進料理など。お花は、とげ・毒・香りの強いものは避けるのが一般的です。
精霊馬(しょうりょうま)
きゅうりとなすで作る、ご先祖さまの乗り物です。きゅうりの馬で「早く」、なすの牛で「ゆっくり」帰ってもらう、という願いが込められています。
返礼品
法要に来てくださる方へのお返し。そうめんやお菓子、洗剤など、日持ちするものが選ばれやすいです。
何から手をつければいいか迷うときは、必要なものが一式そろった初盆セットから始めて、足りないものを買い足していくと、過不足がなく安心です。盆提灯は夏前に品薄になりやすいので、早めに用意しておくと慌てません。
今の暮らしで、無理なく初盆を迎えるために
初めての初盆は、分からないことばかりで当然です。住まいやご家族の事情に合わせて、できる形でととのえれば十分です。
お供えは、故人の好きだった果物をひとつ供えるだけでも、気持ちはちゃんと伝わります。お墓が遠くてお参りが難しい年は、家で静かに手を合わせる時間をつくるのもいいですね。
形をきちんとそろえることよりも、できる範囲で、心を込めて迎えること。そのほうが、ずっと大切なことだと思います。終わりに
初めての初盆は、気持ちの整理がつかないまま、準備に追われることもあるかもしれません。それでも、手を合わせて故人を静かに思う、その時間そのものが、何よりの供養になります。完璧でなくて大丈夫。できることを、できるかたちで。
親族が集まる初盆は、これからの法要や、実家やお墓のことを家族で話すきっかけにもなります。すぐに答えを出さなくても、少しずつ気持ちを分かち合っておくと、これからの時間が、きっと穏やかに進んでいくはずです。