12月13日の『正月事始め』何する日?意味・由来・やることまとめ

2025.11.29 17:00 - コメント - By 斉藤 あかり

皆さんは、12月13日の『正月事始め(しょうがつことはじめ)』をご存知でしょうか。年末が近づくと、家の中の空気や気持ちが少しずつ“新年を迎える準備モード”に変わってきますよね。そんなタイミングで迎える正月事始めは、昔から 年神様をお迎えするための最初の区切り とされてきました。

今回は、正月事始めの由来や習わし、そして 2025年の暮らしに取り入れやすい準備 をまとめてご紹介します。

 正月事始めとは?  

正月事始めとは、お正月を迎えるための準備に取りかかる日を指します。

「事」という言葉には、もともと“神事・祭りごと” という意味があります。年神様をお迎えするための準備を始める日であることから、“事”を“始”める → 「事始め」 と呼ばれるようになりました。

昔はこの日を境に、新年に向けたさまざまな支度に着手し、 家の中の穢れを祓って新しい年を清らかに迎えるための大切な節目とされていたのです。

 正月事始めはいつ?由来は?  

正月事始めは、毎年12月13日

この日が選ばれた理由の一つに、旧暦で使われていた「鬼宿日(きしゅくにち)」があります。鬼宿日は、婚礼以外のことはすべて吉とされ、何かを始める日として最も縁起が良いと伝えられていました。

暦が太陽暦に変わったあとも、「正月事始め=12月13日」という習慣はそのまま続き、今も多くの地域でこの日が“準備のスタート”とされています。

 正月事始めと煤払い(すすはらい)  

正月事始めと結びつきの深い行事のひとつが 「煤払い(すすはらい)」 です。

かつては囲炉裏やかまどの煙で家の中に煤が溜まったため、一年の汚れを落とすための大掃除が行われていました。 この煤払いは、単なる掃除ではなく、年神様を迎える前に家を清める神事的な意味 を持っていました。

煤払いを終えたあとは、 商家などで“ねぎらいの祝宴”を開いたという記録もあり、「一年の穢れを落とすことで新しい福を呼び込む」 という文化が根付いていたことがわかります。

今でも神棚を掃除するときには、新しい清掃用具を使ったり始める前に手を洗うなど、引き継がれている所作がありますね。

 正月飾りの準備を始める日

正月事始めから、正月飾りの準備を少しずつ始める家庭も多いです。現在ではクリスマス後に飾ることの方が一般的ですが、準備を始めるには12月13日以降が縁起が良い時期 とされています。正月飾りにはそれぞれ役割があります。

  • しめ飾り:厄を寄せつけず、神様をお迎えする結界の役割

  • 門松:年神様が迷わず家に来るための目印

  • 鏡餅:年神様へのお供え物

  • 羽子板・破魔矢:子どもの健やかな成長を願う縁起物


飾りつけを始めるのは28日〜30日頃が良いとされ、避けたい日は“29日(苦)”と“31日(一夜飾り)”です。

 歳の市に出かけるのもおすすめ  

12月13日を過ぎると、全国各地で 「歳の市」 が始まります。正月飾り・おせち材料・熊手などを並べた露店が連なり、年越し準備の活気を感じられる日本らしい行事ですね。地域によって特色があり、同じ“歳の市”でも雰囲気がまったく違うのも魅力です。正月事始めを迎えた頃に出かけてみると、新年に向けた気持ちがぐっと高まり、暮らしの中にも季節を取り入れたくなりますね。

 まとめ|2025年に取り入れたい正月事始め  

正月事始めは、昔の行事をそのまま再現する必要はありません。12月13日という節目に、玄関を軽く掃除したり、冷蔵庫を整えたり、必要なものをメモしてみたりと、ほんの少し動くだけで年末がぐっと楽になります。正月飾りやおせちの準備を“確認だけする”ことも立派な事始めです。


新しい年を清らかに迎えるためのこの行事は、ただの大掃除の日ではなく、家の空気と気持ちを整える“はじまりの日”。意味や由来を知ることで、より暮らしになじみ、2025年の年末を心穏やかに迎えるきっかけになるはずです。

斉藤 あかり

斉藤 あかり

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