なんとなく感じていた、家の空気の変化
帰省するたびに少しずつ感じる、実家の“空気の変化”。
家具の位置は変わっていないのに、なぜか以前よりも広く感じたり、湿気のにおいが気になったり。
玄関の鍵を開ける手が、少しだけ重く感じるようになったり──。
「まだ相続の話をするには早い」と思いながらも、少しずつ現実が動きはじめていることに気づかされます。
誰も住んでいない実家。そのままにしていて大丈夫?
家に誰も住んでいない状態が続くと、建物は想像以上に早く傷みます。
湿気、カビ、ほこり、草の繁茂、郵便受けのチラシ…。
人の気配がないことが、かえって目立ってしまいます。
内容 | 年間の目安 |
---|---|
固定資産税・都市計画税 | 約5〜15万円 |
火災保険(無人家屋用) | 約1〜3万円 |
管理代行(見回り・草刈りなど) | 月5,000〜15,000円 |
修繕・清掃 | 状況により数万〜数十万円 |
「いずれ誰かが住むかも」と思って放置した結果、
老朽化が進んで売却もできなくなってしまうケースもあります。

「売る」「残す」「貸す」……すぐに決めなくても、知っておくことはできる
住まない実家に対して取れる選択肢は、大きく3つあります。
① 維持・管理しておく
思い出の場所として残したい場合は、最低限の管理が必要になります
特定空き家に指定されないよう、定期的な換気・草刈り・通水などは必須です
② 売却を検討する
所有者(多くの場合は親)が判断できるうちであれば、手続きは比較的スムーズ
将来的に住む予定がなければ、負担を減らす選択肢にもなります
③ 利活用する(貸す/空き家バンクなど)
地域によっては、古民家再生や移住支援と連携した活用が可能な場合も
初期費用や修繕の手間はかかりますが、家を活かす方法のひとつです
どの選択肢にもメリット・デメリットがあります。
ただ、「すぐに決められない」という気持ちがあるなら、まずは選択肢を“知っておく”ことからでも十分です。
話し合いは、「いつか」ではなく「今」に近いときがしやすい
親が施設に入ったばかりの頃や、体調が落ち着いているタイミングは、実家について話す貴重なチャンスでもあります。
この家に戻る予定があるか
売ることについてどう思っているか
名義や登記はどうなっているか
「急がなくていい」と思っているうちに、認知症の進行や相続人の不在などで話せない状況になってしまうケースも少なくありません。
特別な話し合いでなくても構いません。
帰省の合間に、ふとした会話のなかで触れてみる。
そんな小さな一歩が、大きなトラブルを防ぐこともあります。「片づけ」「掃除」から始めてもいい
すぐに売るわけでも、決断を下すわけでもなく、家の中を少し片づけたり、草を刈ったりするだけでも、家と向き合いはじめた証になります。
そんな小さな積み重ねが、「この家のこれから」を考えるきっかけになるかもしれません。
まとめ|“実家のこれから”を考えるのは、きっと悪いことじゃない
親が施設に入り、実家が空き家になっていくことは、どこか切ない現実です。けれど、それと向き合うことは「冷たいこと」ではなく、むしろ家族や家に対する優しさでもあると思います。
決断は焦らなくてもいいでも、知っておくこと、考えはじめること、少し掃除してみること。それだけでも、この家との関係は変わっていくはずです。