迎え火ってなに?精霊馬の意味は?|今さら聞けない…“お盆の風習まとめ”

2025.07.27 08:36 - コメント - By 斉藤 あかり

みなさんこんにちは!ココカラマニカ編集担当の斉藤です!

お盆になると、仏壇の前にキュウリとナスで作った動物が並び、玄関先では迎え火や送り火の炎がゆらゆらと揺れる…。

 そんな風景「毎年なんとなく見ているけど、意味までは知らない」という方も多いのではないでしょうか?

今回は、お盆の由来や基本的な意味から、迎え火や精霊馬などの習わしの意味について、あらためてわかりやすくご紹介します。
お子さんや家族との会話にも役立つ、“知っておきたいお盆の豆知識”を一緒に見ていきましょう。

  お盆とは?|由来と意味

お盆とは、ご先祖さまの霊がこの世に戻ってくるとされる期間のこと。
一般的には 8月13日〜16日 に行われることが多く、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれています。

なぜこの時期? 

仏教行事と日本古来の先祖信仰が結びついたもので、旧暦の7月15日前後にあたるこの時期に、霊を供養する風習が生まれたといわれています。
現在では多くの地域で、 新暦の8月にお盆行事を行う ことが一般的になっています。

  「迎え火」と「送り火」の意味とは?  

お盆になると玄関先で火を焚いたり、提灯を灯したりする光景を目にすることがありますね。そのなかでも代表的な「迎え火」と「送り火」には、どんな意味が込められているのでしょうか?

迎え火(8月13日)

ご先祖さまの霊が迷わず帰ってこられるように、玄関や門の前で焚く火のこと。炎が道しるべになるとされ、「ようこそお帰りなさい」という想いが込められています。

送り火(8月16日)  

お盆の終わりに、霊を再びあの世へ見送るための火。「また来年お越しください」という気持ちを込めて焚かれます。
▶ 一部地域では、焙烙(ほうろく)という素焼きの皿の上でおがらを焚く伝統も残っており、現代ではろうそくやLEDライトで代用されることもあります。

 キュウリとナスの精霊馬(しょうりょううま)の意味とは?

仏壇の前などに飾られる「キュウリ」と「ナス」の不思議な動物…。きっとみなさん一度は見たことがあると思います。これらは、ご先祖さまがあの世とこの世を移動するための乗り物とされています。

  • キュウリ=馬(精霊馬)
    → 早く帰ってきてもらうための“足の速い馬”

  • ナス=牛(精霊牛)
    → ゆっくり帰ってもらうための“のんびりした牛”


どちらも割り箸や楊枝を足に見立てて刺して飾るのが一般的ですよね。
地域や宗派によっては飾らない場合もありますが、祖先を迎えるための心を込めた風習です。

 地域によって違う⁈お盆の風習の違い

お盆の過ごし方は地域ごとに少しずつ異なりますが、以下のような習慣が見られます。

  • 盆提灯を飾る
     → ご先祖さまが迷わず帰ってくるための目印になるとされます。

  • お墓参り・掃除
     → お墓をきれいにして、手を合わせることで感謝を伝える時間に。

  • 精進料理やお供え物
     → 肉や魚を使わない野菜中心の料理をお供えする家庭も。

  • 棚経(たなぎょう)

 → お坊さんを家に招き、仏前で読経してもらう習慣もあります

 お盆は、家族やご先祖とつながる大切な時間  

忙しい日々のなか、改めて手を合わせる機会が少ないという方も多いかもしれません。だからこそ、お盆は「大切な人を想う」気持ちを形にできる貴重な時間。「迎え火ってどういう意味なの?」「なんでキュウリなの?」そんな素朴な疑問をきっかけに、子どもたちと、お盆の由来についてなど、日本の文化についての話をするのもいいかもしれません。

 まとめ|“意味を知る”と、もっと丁寧に過ごしたくなる  

お盆は、ご先祖さまを迎え、感謝と祈りを捧げる時期であり、迎え火・送り火や精霊馬には、それぞれ「おもてなし」の想いが込められています。

地域の風習や家庭の習慣を大切にしながら過ごしてみると、お盆の行事を「ただなんとなくやる」のではなく、意味を知ることで気持ちのこもった時間に変わります。今年は、そんな“心を込めたお盆”を過ごしてみませんか?

斉藤 あかり

斉藤 あかり

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