そもそも相続とは?基本からわかる財産の引き継ぎ方と3つの選択肢

2024.12.17 18:30 - コメント - By 原田 正彦

そもそも相続とは?

相続のブログをいくつか書いてきましたが、相続とはなんぞや?というところを振り返ってみましょう。

 そもそも相続は、大切な家族が亡くなったとき、その人の財産や権利、義務が法律に基づいて次の世代に引き継がれることを指します。亡くなった方が持っていた家や土地、預貯金、株式などの資産はもちろん、場合によっては借金などの負債も含まれます。相続は亡くなった瞬間にその時点の法的ルールに基づいて確定しますが、実際にどのように財産を受け取るかを決めるには、いくつかの選択肢があります。

法定相続とは?


先日までの NHKの朝ドラにもありましたが、昭和23年1月より新民法の施行と共に以前までの旧民法の家督相続から法定相続へと法律自体も大きく変わりました。その後も何度か改正されて現在に至っています。


 もし、亡くなった方が遺言を残していなければ、財産の分配は法定相続に従って行われます。法定相続とは、法律で定められた相続のルールに基づき、相続人がどのように財産を受け取るかが決まる仕組みです。例えば、配偶者や子供が相続人となるケースが一般的です。

このとき、相続人の範囲や相続の割合は法律で細かく規定されています。たとえば、配偶者が半分、残りの半分を子供たちで分けるというような割合が一般的です。相続人で遺産分割協議を行いますが、話し合いが整わず、家族の事情や亡くなった方の意思が反映されないケースもあるため、事前に遺言を作成しておくことが推奨されます

相続の方法:3つの選択肢

相続人は財産をどう受け取るか、以下の3つの選択肢があります。

1.単純承認

これは、すべての財産と負債をそのまま相続する方法です。プラスの財産もマイナスの財産(借金など)もすべて受け継ぐことを意味します。財産がプラスであれば問題はありませんが、負債が大きい場合にはそのリスクも引き継ぐことになります。

2.限定承認

限定承認は、相続する財産の範囲内で負債を引き継ぐ方法です。つまり、相続した資産の額を超える負債は支払わなくてもよいというメリットがあります。ただし、相続人全員と負債先の銀行等の同意が必要であり、手続きも複雑なため、専門家の助けが必要になります。限定承認自体はかなりハードルが高いものとなります。

3.相続放棄

財産も負債も一切引き継がないという選択です。相続放棄を選ぶことで、借金などのマイナスの資産を回避することができます。相続放棄は、相続が発生してから3か月以内に家庭裁判所に申請する必要があり、この期間を過ぎてしまうと単純承認したとみなされるため注意が必要です。相続人単独でも行うことができます。よくある勘違いとして、遺産分割協議書に自身の取り分が無いとしても、相続放棄を行った事にはならないので、注意が必要です。

相続は亡くなった瞬間に決まる

相続は、亡くなった瞬間にその人の財産や負債が相続人に引き継がれる権利として自動的に発生します。しかし、実際に財産をどう扱うかを決めるのは、相続人が上記の3つの方法から選ぶ必要があります。この決定には、家族の事情や負債の有無をしっかりと考慮することが重要です。

資産を次世代、さらにその次の世代へ 

相続は、単に財産を受け取るだけではなく、次の世代、さらにその先の世代へ資産を引き継いでいく大切なプロセスです。ご自身が相続する財産や負債をしっかり理解し、その後の家族が安心して生活を続けられるようにするためには、計画的な対応が必要です。

 例えば、土地や家を次の世代に引き継ぐ際には、その価値や将来的な利用方法を考え、税金や維持費も含めた計画を立てることが大切です。また、金融資産や株式など、管理が複雑な財産については専門家のアドバイスを受けることも有効です。

まとめ

相続は、法律に基づいて発生する重要な手続きですが、単に財産を受け取るだけでなく、家族の将来を見据えた大切な決定でもあります。

単純承認、限定承認、相続放棄という3つの選択肢の中から自分や家族にとって最適な方法を選び、財産を適切に引き継ぐことが重要です。そして、その財産が単世代だけでなく、次世代、さらにその次の世代へとつながるような未来を見据えた計画を立てることが、相続を成功させるための鍵となります。

相続について不安や疑問がある場合は、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることで家族が安心できる未来を作ることができるでしょう。
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原田 正彦

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